idea factory from newspaper 2003 10 9
ドル安(weak dollar)
アメリカは、今となっては、
ドル高にする手段を持っていないし、
ドルを防衛する手段も持っていない。
せいぜい、「強いドル」と言うだけである。
G7の声明について、
最初の感想は、
ついに、ドルが基軸通貨をやめる日が来た。
そういう印象を受けた。
アメリカは、今、3つ子の赤字となっている。
経常赤字、財政赤字、家計の赤字。
こうしたことを考えると、
今後、予想されることは、運が悪ければ、以下のとおりとなる。
ドル安→金利の急上昇→政府の破綻
→家計の破綻
後から言えることは、G7が分水嶺となった。
そうなるのかもしれない。
あのG7が、ドルが基軸通貨をやめる転機となった。
あのG7が、アメリカが超大国から、普通の大国になる転機となった。
そして、アメリカは、世界の大国のなかで、ひとつの国となった。
未来の歴史家は、そう言うかもしれない。
なぜ、アメリカは、リスクの高い政策ばかり実施するのか。
アフガニスタンでの戦争。
イラクでの戦争。
危険な通貨政策。
通貨は、火遊びに等しい。
子供の火遊び。
通貨は、国際金融の専門家に任せるべきである。
素人が通貨政策をやれば、それは、子供の火遊びとなる。
さて、ここで、頭の体操をしてみましょう。
頭の体操とは、常識とは反対のことを考えることです。
a日本の通貨当局が大量に保有する、巨額のアメリカ国債の売却。
b日本の通貨当局が円買いをする。
aについては、巨額のアメリカ国債を保有していても、
為替リスクがあり、その分、金利を上げてもらわないと、割に合わない。
bについては、確かに日本は輸出大国であるが、
同時に、輸入大国でもある。
日本は、国土が狭く、国土の大部分が山地なので、
食糧もなく、資源もない。
世界中の国から、大量の食糧と、大量の資源を買う必要がある。